『カイジ「命より重い!」お金の話』 著者:木暮 太一
1、日本の学校教育では「〇〇」について教えてくれない
そもそも、日本の学校教育で「お金」についてあまり教えないのはなぜなのでしょうか。お金について話すと、「恥ずかしい」とか「ケチくさい」とか、日本人はそういうイメージを持っているようです。
『カイジ「命より重い!」お金の話 著者:木暮 太一
日本人が、世界と比べて驚くほどマネーリテラシーが低いのは、義務教育で「お金」についての学びを受けていないからでしょう。
「お金」の話をするのは憚れる雰囲気があるため、日常会話の中で「お金」の話があまりされない現状があります。
このままでは大変なことになると考えた国が、「積立ニーサ」や「イデコ」といった資産形成を進め始めたり、会社員の副業を認める動きが始まっています。
教育現場では、2022年から高等学校の家庭科の時間で「資産形成」の視点に触れることとなったようですが、どこまで行き届いた教育が受けられるようになるかは未知数です。
これからの時代、自分で老後の資金を蓄えなければならなくなるのは目に見えているため、資産形成の方法を勉強する必要性が出てくると思います。
この本から、しっかりお金の勉強を始めていきたいと思います。
2、お金に関する4つの知識「稼ぐ」「貯める」「〇〇」「〇〇」
この時代に生きる私たちにとって必要なのは「稼ぐ」「貯める」「使う」「守る」というお金に関する四つの知識です。
『書店のマネー本のコーナーでは、「稼ぐ」「節約する」といった種類のテーマの本が多く並んでいます。しかし、「お金の守り方」「お金の使い方」というテーマの本は少ないのではないか。』
著者が述べている通り、目にする書籍の大半は「稼ぎ方を教えます」「これをして生活費を節約しよう」といったテーマの本が多いように感じます。
そもそも「お金とは何か」ということを突き詰めている本が少ないように感じています。
プロ野球選手になって稼ぐ方法ばかりに目が行き、最も基礎基本のボールを「取る」、「投げる」というスキルを高める本がない状態と似ているのかと思います。
本書では、「お金」のリテラシーと言っても、「貯めるためのリテラシー」と「使うためのリテラシー」は別物であり、分けて学ばなければならないということを知りました。
「使う」と「守る」を知ることで、今からの時代を生き抜くためのお金の知識が完成するため、この4つの知識を正確に学ぶ重要性を感じました。
3、宝くじの当選者はなぜ〇〇になるのか
今よりお金持ちになっても、満足することはありません。しかも、急激にお金持ちになった人は、逆に不幸になることさえあるのです。
経済学の基礎理論には、限界効用逓減(ていげん)という絶対的な法則があるそうです。
この限界効用逓減を著者は次のように説明しています。
『限界効用とは、「そのとき、そのときに感じる満足感」のこと。逓減とは、「だんだん減っていく」ということ』。
これをビールを飲んだ時の満足感に例えるならば、サウナ上がりの1杯と、その後飲み続けた4杯目のビールとでは、満足度が減ってくるという感覚に似ているかもしれません。
お金の正しい「使い方」を学んでいない状態で大金を手にしてしまうと、今まで味わったことのない楽しさにお金を投じることになることは想像できます。
そして、いつの間にか感覚が麻痺し始めて、もっと高い幸福感を求めて「浪費」が始まってしまうのではないでしょうか。
そして、お金が無くなった後に残るのは、お金を手にする前よりも遥かに高くなってしまった満足感の沸点だけ。
しかし、その時には自由に使えるお金がないために、不幸だと感じていしまうのかもしれませんね。
4、「元金均等返済」と「元利均等返済」の違い
元金を先に返済するか、金利を先に支払うかには、とても大きな違いがあります。じつは、“金利を先に返済する”ほうが圧倒的に不利なのです。
自分は全く知らなかったし、考えたこともなかった・・・
早速自分の住宅ローンがどっちなのかを確認しました。
😫「元利均等返済」でした・・・早速銀行に問い合わせて、元金均等返済への変更の手続きに行きました!!詳細は「今日の学び」のコーナーで発信します。
多くの場合、元利均等返済が選ばれるようです。
こちらの方が最初のうちは月々の返済額が少なくて済むから、金融機関の窓口担当者も促してくるようです。
ここに落とし穴があったのです!
住宅ローンも借金です。借金を減らすには元金を減らさなければなりません。
そのため、元金を先に返済するか、金利を先には払うかは、とても大きな違いがあるのです。
家を購入してから、金利のことを考えたことがなかったことを反省しました。
この記事を見た人には、ぜひ早い段階で一度見直してもらえたらと思います。
5、単利と複利の違い。顔が引き攣った〇〇払い!
自分は単利と複利の違いも分かっていなかった・・・恐ろしくマネーリテラシーが低い・・・今からしっかり勉強しよう!!
「単利」とは、元々の元金にのみ金利がかかる計算方法。
「複利」とは、発生した利息にも金利がかかる計算方法。
アインシュタインが「複利は人類史上最大の発見」と言っているように、借金の時は「恐ろしいもの」であり、投資の時は「嬉しいもの」と言えるかも知れません
最近のテレビコマーシャルでは、人気タレントを起用して毎月の返済額が少なくなるような“リボ払い”を勧めてきます。甘い言葉で勧誘してくるため、深く知識を持たない人が安易にリボ払いを選択してしまいます。
というか・・・私です。
ある日カード会社からこのような連絡が来ました。「カードから引き落としができません」・・・?
なぜ?
プチパニックになった私はカード会社に連絡をしました。
そこで返ってきた返事が「お客さまはリボ払いを選択しており、口座の残額だけでは新たに購入ができません」というものでした・・・
その額98万円・・・
実際に買い物をした金額に利子がついて膨れ上がっていたようです・・・
この経験が、お金についての勉強をしなくてはいけないと強く思わせてくれた出来事となりました。
6,「〇〇人になってくれない?」と頼まれた時のベストな答え
身内ではなく、あなたに保証人を依頼してきた。「まずは身内に相談してみなよ」これがあなたの身を守る言葉です。
どんなに仲が良くても、借金の連帯保証人になってはいけないといううことは両親から言われていました。
お金を貸すのであれば、あげるつもりで貸すということも教わっていました。
だから私は、どんな事情であっても保証人にはならないと決めています。
連帯保証人とは、借金した人と同じ責任を負うことになものであり、もしも借金をした人が返済できなくなったり逃げてしまったりした場合、連帯保証人に返済の義務が発生するのです。
しかし、本当に困った人を目の前にすると、なかなか冷たく対応しにくくなりますよね・・・
そんな時はこのように質問するのが有効のようです。
それは、「ご家族は何て言ってるの?」
まずは身内に相談することを勧めることが、相手との関係を壊すことなく、自分を守ることができる言葉となるようです。
この言葉を使う時が来ないことを祈りますが、もしもの時のために覚えておいても損はないかと思います。
7、「サンクコスト?」何それ?
“サンクコスト”とは、“もう支払ってしまって、どう頑張っても帰ってこない費用”のことです。
サンクコストとは、もうすでに支払ってしまっていて、どう頑張っても帰ってこない費用のこと。
それこそ住宅ローンの元利均等返済で余分に支払った金額や、リボ払いの支払いのようなもの・・・
今からどう頑張っても帰ってこない費用であれば、その費用がいくらであっても今後の判断材料にしてはいけない。
返ってこないお金は「なかったものとする」という考え方がサンクコストという考え方である。
8、「機会費用」って何?
機械費用とは、“他のことができなかったために、損をした額”です。
バイトとパチンコで悩み、パチンコに行ってしまった。
するとパチンコに行っていた五時間分のバイト代が手に入らない。
パチンコで得する時もあるが、統計的には損するようになっている。
このように、自分の時間をどこに使うかによって手にするお金が変わってくる。
だから「その時間で、他のことをしたらいくら稼げただろうか?」「どんな有意義なことができただろうか?」を考えることが大切である。
9、買い物は「自分の〇〇と引き換えだ」と思え
買い物に際して、もう一つ重要な視点があります。それは、「自分の買いたいものを自分の労働時間に置き換えて考える」ということです。
この本の中で特に学びとなった考え方です。
自分が欲しいものを、「欲求」に任せて買うのではなく、「値段」を「自分の労働時間」に置き換えて、価値があると判断したものだけを購入しよう。
このワンプロセスを入れるだけで、無駄遣いや衝動買いを防ぎ、支出のコントロールがやりやすくなるだろう。
10、将来に不安があるとすれば・・・〇〇に投資しよう
仮に将来に不安があるとしたら、それを解消するために若い時から貯めるべきものは“お金”ではなく、“働き続けられる能力”です。
将来に不安があり、お金を貯めようとしている人は多いと思います。
私も「貯金」だけではなく「投資」というものを勉強して、老後の資産形成を始めました。
しかし著者は、「将来への不安を解消する唯一の方法は、自分がお金を生み出すことができる能力を身につけることだ」と述べています。
これからの時代は、社会が大きく変化する時代です。
「仮想通貨」や「メタバース」など、日々どんどん技術の進歩が進んでいます。
周りをコントロールすることはできません!
コントロールできるのは自分自身だけです。
そして、今までの自分に固執することなく、水のように変幻自在に自分自身を変えていくことにチャレンジする力こそ、今求められている力なのだと強く感じました。
まとめ
この本に出会い、今まで以上に深く「お金」について考えることができました。
読んで得た知識を実践してみたことで、今後の金融リテラシーを高めるための大きな学びになりました。
自分へ投資し、自分の能力を磨き上げ、どんな時代でも対応しながら価値を作り出していける人間になれるように、日々努力していく決意が高まりました。
最高に実りある一冊に出会えたことに感謝します。
私は映画・漫画の「カイジ」が大好きです。そのカイジを題材とし、経済ジャーナリストの木暮さんが書いたこの本に出会ったのは、私がお金の勉強に興味を持ち始めた時でした。本の題名に強いインパクトを感じた、思わず手にとったこの本からは、知らなかった多くのことを学ぶことができました。まだ読んでない方は、是非本書を手にして学ばれることをお勧めいたします。