『なぜかうまくいく人のすごい無意識』 著者:梯谷 幸司
内的基準と外的基準
A君は、やりたいことがあって、そこから学校も自分で決めました。この傾向を内的基準といいます。それに対してB君は、特にやりたいことがあったわけではなく、進学も就職も、決めてはお母さん基準、学校基準でした。これを外的基準と言います。内的基準だったA君は社会に出て活躍し、外的基準だったB君は社会に出るとドロップアウトしてしまったのです。
例えで出されている二人のモデルは、自分の中にも潜んでいると思います。
場面や状況によって、どちらの自分も顔をだすことがあり得るのではないでしょうか・・・
しかし、自分は内的基準で物事を判断する人間になりたい!
なぜなら、自分の船の舵を握るのは自分であり、人に任せていたら辿り着きたい場所に辿り着くことはできないからです。
どんな些細な決定でも自分で行うことで、自分への責任が発生します。
そうすると他の誰のせいにすることもできません。
この決断をすることこそが、人生で「後悔」というふた文字を感じなくても良くなる術なのではないでしょうか。
普通のコップとミッキーマウスの形をしたコップ
コカ・コーラを普通のコップに入れればコップの形に見えますが、ミッキーマウスの形のグラスに入っていたらミッキーマウスの形に見えます。中身は同じでも入れ物が違えば、見え方は変わってきます。この器(=メタ無意識)こそが、人生の中のさまざまな現実を作り出す思考などの前提となる「形・器」なのです。
「看板を背負っている」とか「レッテルを貼る」などの言葉を聞いたことがあると思います。
この看板やレッテルこそがミッキーマウスの器なのだと思います。
他人を見るときに、「あの人はあーいう人だから・・・」と思ったことがあるのと同じように、自分も人から見られているのです。
そして、自分の中のもう一人の自分も「自分は〜な人間だ」と勝手にミッキーマウスの形の中に自分を流し込んでいます。
ここで自分に問いかけます。
「ミッキーマウスじゃないとダメなの?」
そうです!この器は自分で決めることができるのです。
自分は「音楽に特化した才能を発揮し、音楽で世の中に貢献する生き方を通して、豊かな人生を送る」というドラえもん形の器を自分で用意しようと思いました。
過去基準と未来基準
過去基準とは、行動するとき「なぜ」それをやりたいのか理由を考える。未来基準とは、行動するとき、「何のために」それをやりたいのか目的を考える。
著者は、「一般的には、過去の原因に焦点を当てると、物事はうまくいかなくなります」と述べています。
本著の中で、「なぜ病気になったのか」と考えると、過去に焦点があたり「何か悪いことがあった」という前提ができてしまう。
逆に「なんのために病気になったのか」と考えると「この病気は何か意味があってなっているのだ、何かに気づく必要があったんだ」という前提生まれると述べています。
ポイントは「前提」という思考の出発点をどこに置くかだと思います。
前提の置き場所は自分自身で選択することができるのです。
人はコントロールできないものは嫌い
税金の支払いや公共料金をいやいや払う人は多いでしょう。こうしていやいや払い続けると何が起きるでしょうか。「お金は自分でコントロールできないもの」と脳は認識してしまうのです。
これは世の中の真理を言い当てている文章だと思いました。
お金に対してネガティブなイメージを持ってしまうと、ネガティブな出来事を引き寄せてしまいます。
この「お金を支払う時の感情」こそが、お金に紐づいているのです。
お金をたくさんもらうことはコントロールが難しくても、お金を支払うときの感情に焦点を当て、自分でコントロールすることはできるでしょう。
私は、「お金はありがとうの心を見える化したもの」だと考えています。
支払うということは、誰かが作ってくれたサービスに感謝したときに発生する行動です。
自分ができないことをやっていただけたことに感謝の心を持ってお金を支払うことが、お金に好かれる波動を発生させるのだと思います。
潜在意識は「前提」と「意味づけ」に素直に従う
「健康になるため」にこのサプリメントを摂り、食材を食べると、「私は健康ではない」という前提が生まれて、それを認めることになるのです。〜 「さらに健康になる」「もっと元気になる」、そのためにはこのサプリメントを摂る、食材を食べる。この意味づけであれば、「今はすでに健康である」という前提になります。
「さらに」「もっと」という言葉をつけることで、前提の位置を自分でコントロールできるようになります。
高校球児が夢の甲子園に対して、「甲子園に出場したい」では夢が叶わないということです。
この表現では、前提が「まだ甲子園に出ていない」になっているから。
ではどうするか・・・
「甲子園でベスト4に入る」甲子園に出場した前提で夢を語ることで、潜在意識が動き出すのだと思います。
「裕福になりたい」ではなく「もっと裕福になりたい」と表現する。
これは自分でコントロールできることだと思います。
私は、無意識(潜在意識)にとっても興味を持っています。潜在意識というものの存在を知ったことで、人生が自分の思う方向へ大きく流れていく体験をしてきました。なんとなく感じていたことを言語化してくれたのが本著でした。「潜在意識をコントロールし、人生を想うがままに生きる!」と決めた人にはぜひ読んでいただきたい本ですので紹介いたします。